鍼療費の中身

健康のためには「治す」だけではダメ!

鍼療費の中身

 

「鍼療費」

一般的な名称で言えば「施術費」「治療費」と呼ばれるでしょうか。

名称には様々な形がありますが

皆さんは、

私たち鍼灸師に対して払って頂くそのお金に対しての

「意味」を考えて頂いたことはありますか?

 

治療所って屋号だけど「治し屋さん」じゃないよ

「健康観」も変わっています

 

先代から引き継いだ「強谷針灸治療所」。

秩父周辺の方に限らず

子供からご年配の方まで多くの方々の心身の不調を治してきました。


今も昔も、心身に不調を抱えている方は多いです。

ですが

今と昔では自然環境が変わり

社会環境が変わり

生活・家庭環境までも変化しています。

 

人の体に対する「医療」「健康」においても

「予防医学」という「病を予め防ぐ」考え方も少しずつ普及しはじめ

「健康観」についても変化しつつあります。

 

それこそ東洋医学の世界にいる者としては

数千年前に確立された東洋医学の「未病」という考え方に

やっと現代医療が追い付いてきたという思いです。

 

「追い付いてきた」というのは、

未だ「未病」という健康観にまでは達していないという思いです。

話が逸れるので今回は割愛しますね。

 

「治す」だけでは不十分

 

「体調が悪くなったから、病院に行ってお医者さんに治してもらう。」

何気なく使われるワードかと思います。

 

医療者側としては

「医は仁術なり」という「医の倫理」に沿って、

皆さんの心身の健康を支えます。

 

ですが、間違えてはいけないのが

心身の健康を保つのは自分自身であり

病に向き合い、治す主役はあなたです。

 

お薬においても、手術においても

鍼灸においても、漢方においても

その他様々な体を健康に導くものは

皆さん自身のお体が本来持つ「治す力」に対して

それを補助するのが役目です。

 

手術によって命を救われるケースもありますが

あなたが本来持ち合わせる力とともに、

医師による「手術」という強力なサポートによって健康が保たれます。

 

生死を分けるほど強力なサポートはとても心強いです。

強力なサポートのもと病と向き合えれば

あっという間に病を克服することができるでしょう。

ですが、

主役である皆さんのお体の働きが弱っている時

病との向き合い方は容易にはいきません。

 

「未然に」という考え方

 

先ほどもお話しましたが

医療の世界には

「予防医学」「未病」という言葉があります。

それらの言葉は、文字からも連想出来るように

「未然の対策」に重きを置いています。

 

人の体。

医療の世界にかかわらず

「未然の対応」の重要性、必要性は

様々な出来事から、多くの人が理解しているところかと思います。

 

泥棒に入られた時の為に防犯カメラを設置するのもいいですが

入られないためのカギ、セキュリティをしっかりすることは当然必要です。

 

自然というとても大きな力の前に

地震、台風による被害への対応も大切ですが

災害に見舞われないための対応も必要です。

 

建物の強度に不安があればまずチェック。

そして、不安な個所があれば補強をします。

雨漏りしそうであれば修理をし

災害の危険があれば

避難経路と避難先を確認する。

 

夫婦においても

喧嘩した後の仲直りの仕方も大事ですが

日頃からギクシャクしない関係作りも大切です。

 

そのことからも

「病気になってから。」

「痛みが出てから。」

「心身の調子崩してから。」

行動するというのでは、心身の健康を保つ対応として不十分です。

 

鍼療費の中身

 

鍼灸院などで、施術を受けた対価としてお支払いいただく「施術費」。

それは「鍼灸」という東洋医学の施術を受けた対価です。

その中身は

「施術により体の調子良くなる。」

「痛みが無くなる。」

「病が治った。」

事による対価も含みます。

 

「そんなこと、体の不調を治してくれれば何でもいい。」

というご意見の方もいらっしゃると思います。

 

鍼灸にかかわらず

「治すこと」「治療」を主体とする考え方であれば

それもいいでしょう。

ですが

「健康を支える」という視点でお体の事を考えるならば

「治す」という行為だけでは不十分です。

 

「未病」という

未然に備える考え方が古くからある東洋医学・鍼灸にとっては当然のことです。

 

鍼灸専門の当院において、

「鍼療費」と言うのは

「鍼灸の施術を受けた対価」や「病が治った対価」だけではありません。

 

施術東洋医学の健康観を知り、理解、実践して頂き、

医療に頼らなくても大丈夫な

健康的なお体を獲得する方法を学ぶための対価でもあります。

 

見方を変えれば

鍼灸の施術1回1回が、1回30分~60分の東洋医学の健康セミナーとも言えるものです。

 

ですから

鍼灸院で施術を受けられる際には

「施術をしてもらう。」

「治してもらう。」という、受け身の姿勢で臨んでいただくのでは大変勿体無い。

お1人お1人、病と向き合う主役として

心身ともに健康的な状態と向き合う機会として

鍼とお灸を受けることはもちろん、

鍼灸師との対話も

対価を払っている貴重な時間と考えていただければと思います。

 

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