『「がん」と先進医療』

『「がん」と先進医療』

「がん」の根絶を目指すドクター達のお話を聞いてきました

『「がん」と先進医療』

「がん」

少し昔までは「不治の病」と言われた病。

ですが

現代医学の進歩と「早期発見」「早期治療」の浸透により、以前ほど恐ろしい病ではなくなってきた病気でもあります。

 

当院においても

数は多くありませんが、がんと闘われている「がんサバイバー」の方の心身のサポートをしております。

(たまに「東洋医学」「鍼灸」はがんを治す!と豪語されている方がいますが、結果的に「治った」ということもあると思いますが、私は「東洋医学」「鍼灸」はあくまでも心身の健康を支えるものであり、「がんを治すもの」とは考えていません。)

 

日頃、がん患者さんと向き合うこともあり

鍼灸師であってもある程度「がんの知識」のアップデートは行っています。

参加してから随分日が経ってしまったのですが(汗)

先日

鍼灸の友人の誘いで「日本先進医療臨床研究会」という、

主に医師を中心とした研究会主催の

2030ガンゼロ講演会

というものに参加し、がん治療の試みについてお話を伺って来ました。

 

「がん」と向き合っている状況

患者さんの年齢や免疫力、

がんの発生部位、種類などによって差はありますが

平成という元号の時代では、

がん進行度の初期段階であるステージ1では9割、

ステージ2では7~8割が治ると言われる時代となりました。

 

ですが、厚労省の調査などによれば

一生の中で国民の2人に1人はがんを患い、

3人に1人はガンで亡くなっているというデータもあります。

 

「がん」への対応が進み「死への恐怖」は減っていても

「がん」という病への不安は以前多いことが言えます。

 

今回聞いて来たこと

 

今回のお話を私なりざっくりと言えば

「がん」の標準治療以外の新たな可能性を模索しながら、がん患者さんを治療、ケアを行っている先生方の講演。

 

そもそも「標準治療」って?

周囲にがんを患った方を持つ方はご存知かと思いますが

標準治療というのは

科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であることが示され、ある状態の一般的な患者さんに行われることが推奨される治療をいいます。

引用:国立がん研究センター ガン情報サービス

国立がん研究センター関連のページを見ると

以上の様な説明が書いてあります。

是非!上の引用先をクリックして頂き

大元の内容をご覧いただくとよろしいのですが

標準治療の説明の中に

推奨される治療という意味ではなく、一般的に広く行われている治療という意味で「標準治療」という言葉が使われることもあるので、どちらの意味で使われているか注意する必要があります。なお、医療において、「最先端の治療」が最も優れているとは限りません。

といった一文があります。

私がこの一文を目にした際

これはがん治療というものを知るうえで、

どの様な治療法があることと共に、

確実に知っておきたい内容であると思いました。

 

がんの三大療法

「標準治療」とほとんどイコールの使い方をされる

「がんの三大療法」

 

私は鍼灸師であって医師ではないので、

その具体的な内容は割愛しますが

現在の日本で「がん」を治療する上でその中心となるのは以下の3つ。

  • 手術療法
  • 化学(薬物)療法
  • 放射線療法

「がん」という病を様々な手段を用いて知ることが出来る時代となり

この記事をご覧になった方を含め、多くの方がご存知かと思います。

 

「先進医療」と新たな可能性

今回のお話は

以上の「標準治療」「三大療法」では治療、寛解が難しいもの、デメリットが発生するものに対して「先進医療」を用いつつ、「2030年」までにがんに悩む方を減らしたい。

といった内容でした。

 

素晴らしいことですよね。

ただそのうえで私が思ったのは

まず、

その具体的な「先進医療」というものの是非に関しては、

医師が判断することで、

私たち鍼灸師がどうこう言うのは違うのかな、ということ。

 

がん患者さんを診せて頂くなかで

鍼灸師の一部には、

自分ががん治療の中心となった気になり、

患者さんに対して、

色々お話をして誘導してしまう人もいるようなんですよね(汗)

 

また、

今回お話を聞いた「先進医療」が標準治療になっていくには、なかなか難しいように思いました。

 

「先進医療」としてお話があったものは複数ありました。

それらの問題点は幾つかあると思いますが

「人によってタイミングや組み合わせ方などの使い方がそれぞれ異なる。」というお話がありました。

 

東洋医学の世界からすればそれは「当たり前」。

皆、それぞれ少しずつ体質や環境、病態などが違う為に

同じ人であっても臨機応変、柔軟に施術にあたります。

そんな「決まっていない」というスタンスが

東洋医学の良さでもあると私は思っています。

 

ただ、

「エビデンス(科学的根拠)」

「有効性の証明」を求められる現代医学においては

「人によって使い方がみな異なる。」という確立しにくいことは大きな問題だと思います。

 

「食」と「がん」

 

世の中を見渡すと

ネットや新聞など様々な媒体に

「がんに良い食べ物」

というものが載っていたりします。

その一つ、一つの是非に関して、

正直、どれが良くて、どれが悪いかはわかりません。

疑い深い私なんかは(笑)

根拠もなく、世の中に出回る8割位意味が無いのではないかと思っていたりします。

でも、私の様に全然信用していないという方も多と思います。

 

その理由の1つとしては

良いと言われる文章などを見たところで

何がどう良いのか判断がつかないものが多いんですよね。

仮に成分表などが書いてあり、

具体的に良さが説明してあったとしても

専門家でなければその内容を正確に判断することは難しいです。

 

今回の講演では

具体的な「がんに良い」食べ物を紹介するというより

もっと広い視点で

「がん」に対して「バランスの良い食事」が大切であるとお話されていることがとても印象的でした。

 

鍼灸師として思ったこと

 

東洋医学の鍼灸師からみたら

その内容の一部に関して

「えっ、先進医療と言ってるけど今更?東洋医学では当たり前の内容。」

と思うこともありました。

 

「がん」に対して「バランスの良い食事」が大切というのも

東洋医学の世界では真新しくもない当たり前のこと。

ですが

エビデンス(科学的根拠)のもと成り立っている西洋医学の見解が

経験的として知っている東洋医学の見解一致するということは、

がんとの闘いは勿論

現代を生きる人々の「健康」を向上させる上でとても価値のあることです。

 

ですが、

西洋医学にしても、東洋医学にしても

より正確な情報に基づき、冷静に状況を判断することは大切です。

また鍼灸師らしく東洋思想的に言えば

「中庸」の視点というのを忘れないようにしたいですね。

 

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