鍼灸家として不妊を考える ⑧『基礎体温表』との向き合い方

皆さんは『基礎体温表』と上手に向き合えていますか?

鍼灸家として不妊を考える ⑧
『基礎体温表』との向き合い方

 

『妊活』の最初の段階。

それは卵子の「排卵」のタイミングを把握し、

「受精」可能な時期に夫婦の営み(セックス)をもつことです。

病院が関与し、
超音波による卵胞径の計測や頚管粘液、尿中LH値など把握することで排卵を予測する場合には、「タイミング指導」「タイミング療法」といった言葉を使ったりします。

病院が関わったタイミング指導の場合には少し異なりますが、
病院が関与せず、ご夫婦だけで「排卵」のタイミングを知るために、「基礎体温表」や、市販の「排卵検査薬」を用いられることが多いかと思います。

 

自身の生理周期や、排卵のタイミング、女性ホルモン分泌・バランスを知る為に利用される「基礎体温表」。

赤ちゃんのためにしっかり排卵のタイミングを調べるぞ!

と、「妊活」を始めたばかりでポジティブな意識で表を見ることができればいいですが、赤ちゃんが出来にくい方にとっては「基礎体温表」との向き合い方がとても大切だと感じます。

 

ストレスの塊となった「基礎体温表」

「基礎体温表」を付けるということは、

起床時の体温を測ることで、自身の女性ホルモンの分泌状態を知るということ。

そして、ホルモン分泌状態を知ることで「排卵」のタイミングを知ることです。

ですが

種々の原因により、ホルモンバランスが乱れ、

起床時体温にバラツキがある場合。
(基礎体温表の折れ線が低温期と高温期に分かれていない)

もしくは

しっかり起床時体温が測れていない場合。

そのバラツキが妊活を始めた初回数周期であれば

「まだこれから!」

と気持ちを切り替えることが出来ると思いますが、

その状況がずっと続く場合

起床時体温を付けることも、基礎体温を見ることにもストレスとなり、ホルモンの分泌状態を把握し「排卵」のタイミングを知るための「基礎体温表」が、ストレスの塊となってしまう場合が少なくありません。

 

「基礎体温表」の目的を振り返ってみて

 

ストレスの塊となった「基礎体温表」。

見ることも、付けることも嫌になった「基礎体温表」。

「赤ちゃんが欲しい」というポジティブな思いに反して

その目的のための行動が嫌になってしまっては元も子もありません。

 

心身ともにパワーを集結させ、多くのパワーを必要とする

「妊活」「妊娠中」「産後の育児」

少しでも多く「自信」と「心の安定」を保っていたいのに

「思い」と「行動」に統一性がないことは

そのこともストレスであり、

赤ちゃん希望する「ポジティブ」な気持ちに対して、

「私には子供を身ごもることができるのだろうか。」という

自信の無さ・不安感といった「ネガティブ」な思いが増え、

「妊娠」という結果からも遠ざかってしまうと考えています。

 

 

女性ホルモンをちゃんと分泌させたいんです!

 

「基礎体温表」を付けるのは赤ちゃんが欲しいから

その為には「基礎体温表」で排卵のタイミングを知りたい

 

排卵のタイミングを知ることも大切ではありますが

日頃「妊活」に励まれる方と向き合う中で思うのは

 

赤ちゃんを授かりやすくする

理想は...

しっかり卵が育つ

予定通りに排卵する

子宮内膜が十分厚くなる

その為には...

女性ホルモンを安定的にしっかり分泌させる

女性ホルモンの分泌状態を知る

分泌状態を知るために「基礎体温表」を付ける

 

「排卵」のタイミングを知ることも「基礎体温表」の大切な役目です。

ですが「妊活」という場合

まず考えたいのは、

どうやったら「赤ちゃんが授かりやすく」なるか。

そして、

その為にはどの様な事をしていきたいのかを考えて頂くと、

「妊活」という道に迷わず目的に向かって真っすぐ前に進めると考えています。

 

女性ホルモンを安定して分泌させるために

 

女性ホルモンが安定的にしっかり分泌できるようになるためには、いくつもの対応があります。

今回の「基礎体温表」との向き合い方で言えば

女性ホルモンの分泌を影響を与える「ストレス」との向き合い方。

 

そうです。

排卵のタイミングを知る「基礎体温表」。

赤ちゃんのためとはいえ、

基礎体温表を「ストレスの塊」としないことがとても大切です。

 

「基礎体温表」にとらわれない

 

「基礎体温表」は大切なことを教えてくれるものです。

ですが

日頃、鍼灸家として「妊活」に励まれている方と向き合って思うのが

大切なものでもあるが

「曖昧なもの」

もっと言葉を崩すならば

「あてにならない」

「参考にならない」であると感じています。

 

というのも

「基礎体温表」は起床時体温を自分で測る訳ですが、

起きる時間や測り方によって簡単に誤差が発生してしまいます。

ですから

病院において、基礎体温表はある程度体の状態を知るために確認しますが、正確な「ホルモンの分泌状態」や「排卵」時期などの確認は、最初の方に綴った超音波による卵胞径測定や頚管粘液、尿中LH値などを行います。

 

病院でタイミング指導を受けていない方にとっては

「基礎体温表」が妊活の全ての様な感じを持っている方がいます。

その様な方にとって

「基礎体温表」の結果次第で大変大きなストレスとなる場合があります。

 

ですから

特にタイミングにて妊活を行っている方は、

「基礎体温表」は「曖昧」なもので「参考にならない」こともある。

という事を是非知っておいていただきたいです。

 

「基礎体温表」と向き合ううえで大切なこと

 

「基礎体温表」は大切なものでもあり「曖昧」なものです。

そして、

時に「妊活」の邪魔者となり

「ストレスの塊」となってしまうものです。

 

そんな「基礎体温表」と上手に向き合うための1つの方法として

「基礎体温表」「排卵日を気にしない」

というお話を、当院を頼ってお越しになった方には確実にします。

 

「排卵日を知らないととタイミングが取れないじゃないんですか?」

とお思いになる方も多いかと思います。

私がお伝えしたいのは

「排卵日を気にしてタイミング(セックス)をしない。」

ということです。

 

まずは「シンプル」に「自然」な心の働きを大切にしよ

「妊活」界隈では

病院で行う妊娠と対し、

タイミングをとって妊娠した場合を

「自然妊娠」と呼んだりすることがあります。

 

私が「妊活」に励まれている方にお伝えしたいのは

色々なことを気にして、

ストレスを感じながら意識的に行うセックスではなく

基礎体温表も排卵日も気にせず、

「自然」な形で

「夫婦の愛情を確認しあうようなセックス」を

定期的にもって頂きたいです。

 

先に赤ちゃんを希望するまでのステップとして説明した

「女性ホルモンを安定的にしっかり分泌させる」

このために

日頃の自分が、自分たちが次の2つのことを自然と行っているか確認してみてください。

そして

「出来ていないかもしれない。」と思った方は

その2つのことを見つめ直してみてください。

 

1つ目は

女性ホルモンの分泌を邪魔する「ストレス」を

可能な限り減らした生活を心がけてみてください。

 

「可能な限り」ということ。

 

なぜ「可能な限り」なのかというと

ストレスを減らしたいのに、

頑張って生活を変えストレスをため込んでしまったら意味がないですものね。

 

そして2つ目は

「可能な限り」良好な夫婦関係、日常的なスキンシップ・セックスによって

「女性ホルモンの分泌を向上」し、

「いつ排卵があっても大丈夫!」

という状況を作ってみてください。

 

この2つは当たり前のことでもあり

「妊活」のファーストステップ。

 

「基礎体温表」の向き合い方として、

「基礎体温表」は「曖昧」なもの。とともに、

とても大切なことだと覚えておいてください。

鍼灸家として不妊を考える ⑧
『基礎体温表』との向き合い方のまとめ

  • 「基礎体温表」は「曖昧」なもの。
  • 妊活には女性ホルモンの安定的な分泌を大切にしたい。
  • 女性ホルモンの分泌を邪魔する「ストレス」を少しでも減らすためにも、「排卵日」を気にしないタイミング取り(セックス)を大切に。
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