「中庸(ちゅうよう)」
【鍼灸と切り離せない】
「中庸(ちゅうよう)」という考え方
「中庸(ちゅうよう)」
日常生活では聞き慣れない言葉。
もしかすると、一生この言葉を見聞きすることがない方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、この視点は東洋医学においてとても重要な考え方、視点であり、健康を向上するうえにも常々患者さんの皆さんにお伝えしています。
「中庸」という言葉
まずは辞書から「中庸」という言葉を見てみたいと思います。
ちゅうよう【中庸】[書名]
中国、戦国時代の思想書。1巻。子思の著と伝えられる。「礼記(らいき)」中の一編であったが、朱熹(しゅき)が「中庸章句」を作ったことから、四書の一として儒教の根本書となった。天人合一の真理を説き、中庸の誠の域に達する修養法を述べる。 ちゅう‐よう【中庸】
[名・形動]
1 かたよることなく、常に変わらないこと。過不足がなく調和がとれていること。また、そのさま。「中庸を得た意見」「中庸な(の)精神」
2 アリストテレスの倫理学で、徳の中心になる概念。過大と過小の両極端を悪徳とし、徳は正しい中間(中庸)を発見してこれを選ぶことにあるとした。デジタル大辞泉から引用
「中庸」という書については、
辞書の解説に「天人合一の真理を説き、中庸の誠の域に達する修養法を述べる。」とあるくらい、簡単に説明するには恐れ多い書物(汗)
ですが、強いて私なりに簡単に説明するならばこの様な書物ではないかと思います。
「偏ることなく柔軟な思考、言動を良しとし、「誠」という道徳を記した書物。」
実際、大変素晴らしい書物なので、既に用いられているかもしれませんが、小学校の「道徳」の教科の中で是非学ぶべきものの一つだと思っています。
また「中庸」という考え方は、中国思想の様な東洋だけではなく、倫理概念としてピタゴラスやプラトン、アリストテレスといった西洋のギリシア哲学にも見ることが出来ます。
参考:コトバンク「中庸」 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
「中庸」の言葉の意味からも、書物の内容の一端が分かります。
「中庸」という言葉の意味のポイント
「中庸」の大切なポイントは
- 偏り、極端ではなく中正。
- 過不足がなく調和が取れている。
昨今、様々なメディアでそれこそ様々な健康情報を目にしますよね。
「あの病気を改善するにはこの食べ物がいい。」
「長生きにはこれを食べた方がいい。」
「痩せる為にはあの食材がいい。」などなど
情報過多で何が良いのかわかりませんよね?
または
ここ数年、ダイエット目的で「糖質制限」というのが流行っていますが、糖質を制限することで痩せるのは分かりますが、そもそもダイエットの目的でもある「健康」的にはどうなのかは、「良い」という医師もいれば、「悪い」という医師もいます。
「中庸」の考えで言えば、
この様に表現できると思います。
では「中庸」という事を考えたら、これらの健康問題はどうしたらいいのか。
それはとても簡単です。
これは、子供頃にお父さんやお母さんからよく言われた言葉ですよね。
そして「中庸」から健康を考えると
この様に表現することができます。
「東洋医学」で重要な「中庸」の視点
ここまでお話してくると、「東洋医学」において「中庸」という視点が、診察は勿論、施術においても重要視されている事にお気づきになった方も多いかと思います。
「よく分からない。」といった方は、これまでの記事を読んでいただけると理解の助けとなります。
過去記事:「陰」と「陽」って何?
過去記事:「陰陽」って変化するの?
過去記事:鍼灸にとても大事な「五行」って何?
過去記事:陰陽を体でどう診るの? - 花粉症編 –
現代医学(西洋医学)に応用した鍼灸は異なりますが、「陰陽」「五行」といった「東洋思想」という考え方の鍼灸や、湯液(漢方)、あん摩、気功などは、自然界や人の体を大局的に捉え、物事を「陰陽」や「五行」といった思想に当てはめ、そのバランスを重要視し施術を行っています。
【鍼灸と切り離せない】「中庸」という考え方のまとめ
- 四書五経の「中庸」という書物は、偏ることなく柔軟な思考、言動を良しとし、「誠」という道徳を記している。
- 「中庸」という考え方は、東洋だけではなく西洋にもみることが出来る考え方。
- 「中庸」とは、極端ではなく中正。過不足がなく調和が取れていること。
- 同じ「東洋思想」を基礎とする「東洋医学」と「儒学」「中庸」は切り離せない。