健康の知恵「酸っぱいを好み涙する」- 肝木編⑤ –

「感情」は「肝の情(こころ)」である?

健康の知恵「酸っぱいを好み涙する」- 肝木編⑤ –

 

前回は
「肝木」の大きな特徴の1つである「血」と、「肝」「血」と関連深い「目」「爪」についてのお話しをしました。

今回は
生活の中で見ることができる「肝木」性質、特徴について、所長のすね先生とアシスタントの2匹のネコ達との会話を通じて、より理解を深めて頂ければと思います。

 


【これまでの記事】


前回のおさらい

 

すね先生
さっそくいつもの様に前回のおさらいをしようか!
チョビ
よーしっ!ちゃんと覚えているところを見せるぞー

肝は「血」を収めている場所で、日中動いている時は「血」が肝から出て全身を巡り、夜横になって休んでいる時は肝に戻って収められるんだよね。
モー
例えば夜遅くまで「目」を酷使するなど、目の使い過ぎは肝を弱らせ、肝が弱くなることでも目が疲れやすくなってしまう。
また、「爪」の変化からも「肝」の状態を知ることが出来るんですよね。
すね先生
忘れずに覚えているようだね。

今回は、生活の中で見ることができる「肝木」の特徴をお話していくよ!
内容的には大切なんだけど気軽に構えてね。

 

肝動あって「涙」する

 

すね先生
前回は「肝木」と「目」の関連について話をしたけど、目を潤す「涙」も肝の働きだと言われるんだ。

また詳しくは別の機会に話をするけど、「腎水」は「水」という性質がくっついている様に体の「液体」全体に関係するんだ。
「涙」の「液体」という質に関しては「腎」の働きだけど、「涙」としての作用は「肝木」がつかさどっているんだ。
モー
同じ「涙」なのに違うんですか?
すね先生
東洋医学の不思議だよね。
「涙」って何も無い時には出ないでしょ?

玉ねぎ切った時や、目にゴミ入った時など「目」が刺激された時や、悲しかったり、怒ったり、感動したり心が動いた時に出るよね。
また後で話をするけど、「悲しい」時の涙は「肺金」の働きが影響しているんだ。

「目」に何か入って刺激されると自然と涙が出るでしょ?
それは「目」の働きをつかさどる「肝木」が「目」を守ろうと腎にお願いして液体のバリアを張る。
それが「涙」なんだ。
チョビ
なるほどー
じゃあ、心が動いた時っていうのはどういうこと?
すね先生
これは東洋医学の特徴でもあるんだけれど、東洋医学では「体」の状態と「心」の状態は分けて考えないんだ。
チョビ
それはどういうこと?
お医者さんでは違うの?
すね先生
昔の町のお医者さんや、最近で言う「総合診療医」というお医者さんはまた少し違うんだけれど、お医者さんは体の悪い場所ごとに専門的に診て、治療をしていくんだ。
それは、「体」と言うのがそれだけ複雑で、難しいということでもあるんだけれどね。
でも、東洋医学では「心」の働きもあるからこそ、人の体というのも理解できるとみているんだ。

話を戻すけど、
「多感な年頃」「感情溢れる青春時代」、10代から20代というのは、楽しいことも、苦しいことも含めて笑いや涙の多い時代だけど、この時季は「肝」が旺盛な時期であり、不安定な時期。
それは「肝情」、「肝の情(こころの働き)」が高ぶりやすく、不安定でもあるということだね。
その様な「感情」の変化、「心」の変化によって生まれる「涙」があって、そんな「涙」も「肝」の働きによるんだ。
 
モー
心の変化、「情」による涙には「悲しみ」もありますがこれはどうなんですか?
すね先生
詳しくはまた後で話をするけど、「悲しみ」という情による涙というのは「肝」の働きで間違ってはいないんだ。
ただ、それは「肝」の働きが強くなるからではなく、「悲しみ」という情が「肝」の働きを抑えている「肺金」の働きを弱め、その結果「肝」の働きが強くなり出てしまうんだ。
チョビ
えっ、なんだかよく分からなくなってきた。。。

ひとまず、「涙」というのは「肝木」が関連していて、悲しい時の涙は「肺金」が関係しているってこと?
すね先生
そうだね。
ひとまずそれだけ分かっていれば大丈夫かな。

 

「酸っぱい」時涙する

 

すね先生
チョビとモーは酸っぱい食べ物とかは好きかな?
モー
私は苦手かもしれません。
チョビ
私は果物とか好きだよー♪
でも、お酢とかは酸っぱすぎるかな。
すね先生
以前「五味」について触れた時を覚えているかな?
過去記事:鍼灸にとても大事な「五行」って何?

味にも五行の分類があって、「肝木」は酸味によって元気になるんだ。
ただ、酢っぽいものを摂りすぎる「肝木」は弱ってしまうんだ。

肝木の働きがうまく働かないと「筋」は固くなくる、という話をしたよね?
そんな固い「筋」でも、「酸味」に漬け込むと柔らかくなるのを知っているかな?
まあ、あまり長く漬け込むと酸っぱくなったり、味が付き過ぎちゃうんだけれど(汗)
モー
他にはどんな特徴があるんですか?
すね先生
五行の関係図を頑張ってイメージして欲しいんだけど、酸っぱいものを食べて「肝木」を高めると「肝木」が元気になる。
体のやっかいなお肉と言われてしまう「脂肪」は五行で言うと「脾土」に属すると考えられるんだけど、さっき酸味はお肉を柔らかくするって言ったよね?
肝木と脾土は相剋の関係にあり、酸味を摂ることで甘味を抑え、お肉(脂肪)を分解すると考えるんだ。

これを「ダイエット」で考えると、「炭水化物抜きダイエット」というのを知っているかな?
「炭水化物」=「甘味」は「脾土」の栄養源。
それを抜くことで「脾土」の働きを高めず脂肪を増やさない。
でも、今回「肝木」と「五味」について話をしたけど、「脾土」の栄養源となる「甘味」を増やし過ぎないことも大事だけど、ほどほどの「酸味」を摂り、「肝木」の働きを高めお肉を減らすことが大事なんだ。

これはつまり、栄養のコントロールも大事だけれど、体を動かし「筋」を動かすことで「肝木」を高めることがとても大事とも言えるね。
もしさらに工夫を加えるとしたら、「肝木」の働きを高める「朝」にほどほどの「酸味」を食べて

関連記事:鍼灸にとても大事な「五行」って何?
チョビ
わー!なんだか色々繋がった!
私なんか、「カロリー」見まくって「炭水化物」抜きまくっていたよ。
すね先生
「中庸」が大事なのに、完全に偏ってるじゃないか(汗)

今回のお話は気楽に聞いて欲しいところだけど、チョビはちゃんと覚えとかないとダメだね。
 

健康の知恵「酸っぱいを好み涙する」- 肝木編⑤ –のまとめ

  • 「涙」というのは「肝木」の働きによる
  • 悲しい時の「涙」は「肺金」が関係している
  • 程よい「酸味」は「肝木」を元気にし、摂りすぎると「肝木」を弱める
  • 東洋医学からみるダイエットにおいても「運動」がとても大切
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