健康の知恵「血の不足は目と爪へ」- 肝木編④ –

ゲームもYouTubeもダメ!とは言わないけど「目」疲れは気を付けて。

健康の知恵「血の不足は目と爪へ」- 肝木編④ –

 

前回は「肝木」の大きな特徴の1つである「筋」と「神経」「運動」についてのお話しをしました。

今回は春の時季の健康管理において大事にしたい「肝木」に関連深い「血」と「目」や「爪」の影響について、所長のすね先生とアシスタントの2匹のネコ達との会話を通じて、より理解を深めて頂ければと思います。

 


【これまでの記事】


「血」のタンク「肝木」

 

すね先生
さあ!今日は春の時季に健康管理をするうえでとても大切にしたい内容だよ。
チョビ
前回の内容も結構なボリュームだったからな。。。
眠れなくなりそうだよ。
モー
今日はどんな話なんですか?
すね先生
まずは「肝木」と「血」について話をするね。
モー
確か肝臓と同じように「血」をいっぱい貯めこむ働きがあるんですよね?
すね先生
その通りだよ。
東洋医学の昔の本には次の様なことが書かれているんだ。

諸脈者、皆属於目、

諸髄者、皆属於脳、

諸筋者、皆属於節、

諸血者、皆属於心、

諸気者、皆属於肺。

此四支八谿之朝夕也。

故人臥血帰於肝。

肝受血而能視、足受血而能歩。

掌受血而能握、指受血而能摂。

 

諸脈なる者は、皆目に属し、

諸髄なる者は、皆脳に属し、

諸筋なる者は、皆節に属し、

諸血なる者は、皆心に属し、

諸気なる者は、皆肺に属す。

此れ四支八谿の朝夕なり。

故に人臥せば血は肝に帰す。

肝は血を受けて能く視、足は血を受けて能く歩む。

掌は血を受けて能く握り、指は血を受けて能く摂る。

出典:黄帝内経「素問」五蔵生成篇

現代語訳「黄帝内経素問」上巻から引用

すね先生

体中の生命力は十二本の道を通って目に流れ込む。
全ての髄(神経のイメージ)は集まり上って脳に属している。
全ての筋は並び続いて関節に属している。
全ての血液は心に集まり心属している。
全ての気は肺に帰りつき肺に属している。

肝は血を収めている場所で、昼間動いている時には血は肝から出て全身を巡り、夜になり横になって寝ている時は肝に戻り収められる。
目は血によって滋養されてよくものを見ることが出来るようになる。
足は血によって滋養されてよく歩くことが出来るようになる。
手掌は血によって滋養されてよく握ることが出来るようになる。
手指は血によって滋養されてよく手で持つことが出来るようになる。
そう書いてあるんだ。
チョビ
分かったような分からないような感じだけれど、肝には血が収められていて、血が凄く大切なことは分かったよ。
 

「目」が「肝」に関連するの?

 

 
すね先生
かなり大事なことが書いてある一文なんだけれど、ひとまずそれが分かってくれればいいかな。
ちなみに、肝の働きが悪い、もしくは肝の働きを無視した生活をするとどうなるか分かるかな?
モー
つまり「血」がしっかり肝に収められなくということですよね?
夜だったら、眠れなくなりそうですね。
昼間だったら、頭に血が上り過ぎれば頭痛や耳鳴りなどが起こりそうですし、頭にうまくいかなければ貧血気味になって顔色が悪くなったり、眩暈や難聴が起こりそうですね。
すね先生
よく内容が整理出来ているね!
夜になって眠くなるということは、夜になって頭を巡っていた血が肝に戻って頭の血が少なくなるからだって考えるんだ。
静かに休んでいる時は「血」は肝に収められて消費は抑えられるけれど、昼になり全身に血が巡ることで目でしっかり物を見ることができ、筋肉を動かすことで指先や足なども上手に使うことが出来る。

肝の働きを無視して、夜に昼間の様な光をいっぱい出しているゲームや動画を見続けていれば、本来肝に収められるはずの血が目、つまり頭に集まり眠れなくなってしまうし、昼間に全身に血を巡らせて消費したうえに、夜も活発に動いて血を消費してしまうと、当然肝の働きが悪くなったり、血不足を起こしてモーが言ってくれたような体の不調や、前回までにお話した筋肉や神経のトラブルも起きてしまうんだ。

チョビやモーも分かると思うけれど、女性特有の生理や妊娠などにも大きな影響があるんだ。
チョビ
それってかなりヤバいよね!?
すね先生が寝た後にYouTubeでマグロの解体動画見てるの控えようかな。。。
すね先生
先生が寝た後にそんな動画見てたの!?

目の見え方に問題がなければいいけれど、肝の働きが元気であればしっかりものを見ることができるけれど、肝が弱ってしまうと目が疲れやすくなるんだ。
逆に目を使い過ぎも肝を弱らせてしまうから注意が必要だね。
モー
これまでのお話も合わせと、目の使い過ぎて肝が弱くなれば、筋肉の動きや神経の働きも弱ってしまい、肩が凝るように筋肉が緊張したり、足の痺れとかがあれば悪化させる場合があるということですね。
すね先生
その通りだよ!

現代医学では目を使い過ぎているからイコール神経の痺れが出るとは言えないけれど、東洋医学の体の診方では「肝木」という性質に対して「筋」や「目」「血」などが繋がり関連しあっているんだ。

先生のところに鍼を受けに来る患者さんで「生理になったら眩暈がして、足もつりやすくて、手が痺れるんです。」なんて人がいるんだ。
詳しくお話を聞くと、お仕事で夜遅くまでPC作業をしていることが多かったということも言っていたんだ。

これがどういうことか分かるかな?
チョビ
うーんと、「血」が少なくなったタイミングに、夜遅くまで「目」を使い過ぎたことがポイントだよね!

ここ最近の私のように、夜遅くまで目をいっぱい使って、本来は肝臓に収められるはずの「血」をいっぱい消費しているうえに、生理で「血」少なくなってしまって、「筋肉」や「神経」と関連する肝の働きのバランスが崩れてしまったということだよね!
すね先生
ちゃんと理解できているようだね。
この患者さんの施術の方向性は、「肝」の働きを元気にすることを中心に、普段の生活での養生として、寝る直前までスマホなどを見ないようにすることと、PC作業は出来るだけ明るいうちにして、目を閉じる時間を増やして、十分な睡眠をとるようにとお話したんだ。

「肝木」の働きや関連することが理解していることで、今起きている症状の理解は勿論、どうやったら改善と予防が出来るか知ることがで出来るんだ。

 

「爪」を見れば性格も分かる?

 

すね先生
前回、肝木と「筋」の関係についてお話をしたよね?
チョビとモーはよく「爪研ぎ」をしているけれど、東洋医学では筋の余りが「爪」だと考えているんだ。
チョビ
「筋肉」と「爪」とでは形は全然違うものなのに?
確かに「筋肉」も「爪」もタンパク質なんだろうけれど。
それに爪は食べても美味しくないし。。。
すね先生
これまでの記事でも「肝」と「爪」について少し触れたよね。
爪の「成長」や「形状」を診ることで「肝」の働きを見ることが出来るんだ。

肝の働きが元気だと、爪には程よい弾力と艶があるんだ。
爪は厚過ぎ薄過ぎず。固すぎ柔らかすぎず。
顔色と同じように赤過ぎず、白過ぎずが良いと言われているんだ。
モー
それじゃ、爪の形が変形していたり、縦や横に筋が入っている場合は「肝」の働きが弱っているということですか?
すね先生
その通りだよ。

先生が普段勉強している本には「肝」と「爪」について20ページ以上解説していて、爪の形状や色などによって全身の健康状態、精神状態、体質などもみることができるんだ。

例えば、指に対して爪が小さい人は、心臓に負担をかけやすく、正確的には理屈っぽくて議論することが好きで、小心者で嫉妬心が強い。なんてみることが出来るんだ。
こういった体質や正確などについては、内容が専門的になり過ぎてしまうし、見方も曖昧で、一概には言えない場合があるから詳しくは個人的に聞いてね。

チョビとモーは「ネイリスト」さんってお仕事を知っているかな?
ネイリストさんは「爪」のお手入れや装飾をするお仕事で、世の中にあるお仕事の中で、最も多くの手や爪を見ているお仕事と言ってもいいよね。
そんなネイリストさんは、作業しながらのお話も影響しているけれど、手や爪を見ることで、その人の生活の仕方や体調や性格などを知ることがあるらしいよ。

ネイリストさん達は、経験的にそういった事を知れるようになるようだけれど、もし先生がお話したような東洋医学のことも理解している人がいたら物凄く評判になるかもしれないね。
 

健康の知恵「血の不足は目と爪へ」- 肝木編④ –のまとめ

  • 「血」は「肝木」に収められている
  • 「血」によって目や手足がしっかり動く
  • 「目」の使い過ぎは「肝」の不調を招く
  • 「爪」の状態から「肝」を中心とした体(肉体と心)の状態をみることができる
  • 「肝」の調子が悪くなれば、「血」や「筋」「神経」「目」「爪」などに不調が現れ、それらの使い過ぎによっても「肝」の調子が崩れる
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