「占い」と「鍼灸」はご親戚?
「鍼灸」
鍼灸というものが、まだよくは分からないけれど、「東洋医学」の1つだという事は知って頂けたかと思います。
過去記事:東洋医学とは?
ですが、今回のタイトルをご覧になって頂けれがお分かりの様に、「占い」と「鍼灸」「東洋医学」についての関係性を綴ってみたいと思います。
東洋思想の集大成「儒学」にみる占い
以前綴った「鍼灸にとても大事な「五行」って何?」という記事の中で、「儒学」について少し触れました。
「儒学」というのは、「孔子」を始祖とする学問、思想です。
そして、東洋思想の集大成となる教典「四書五経」があります。
以前の記事にもありますが
「四書五経」の中には「易経(えききょう)」と呼ばれるものがあります。
「易経(えききょう)」とは?
「易経」とは、四書五経の五経の中に含まれる「占い」の理論と方法を記した書物です。
「周易」や「易」とも言われます。
辞書で見てみると
えききょう【易経】
中国、周代の占いの書。五経の一。経文と解説書である「十翼」をあわせて一二編。陰と陽を六つずつ組み合わせた六十四卦けによって自然と人生との変化の法則を説く。「十翼」は、これに儒家的な倫理や宇宙観を加えて解説してある。古来、伏羲ふつき氏が卦を画し、周の文王が卦辞を、周公が爻辞こうじを、孔子が「十翼」をつくったといわれるが根拠はない。周易。易。大辞林 第3版から引用
鍼灸では、
陰陽論等で人の体の状態、変化を知り、「鍼」と「お灸」という道具を用いて、「人の体の健康」、「人命の運び方」を支えています。
周易では、
陰陽論で自然と人の生の変化を読み、どの様なことを考え生活し、振舞うことで「より良い人生」となるか、鍼灸と同じように「人命の運び方」を支えています。
中身、形は異なりますが、同じ思想を用いていることもあり、「鍼灸」と「周易」では目的は同じ、より良い「人の生」「人の命」の運び方をお手伝いする技術です。
より良い人の命を運ぶ術「五術」
「鍼灸は人の命を運ぶ技術だ!」
なんて、鍼灸を受ける側の人が初めて着た鍼灸院でいきなり言われてしまうと、まず確実にドン引きするか、胡散臭いと思われるでしょう(笑)
この事は私たち鍼灸師側が自覚していればいい事だと考えていますが、鍼灸を受ける側の方も、順序立てて知って頂くと、「鍼灸」というものが、ただ「治す」ことだけが目的のものではないことをご理解頂けると思います。
また「人の命を運ぶ術」として、「五術」という総称があります。
「五術」とは?
「中国五術」の略称で、中国で考えられたより良く人の命を運ぶ術。
「命術」「卜(ぼく)術」「相術」「医術」「山(仙)術」という五つの術を言います。
「命」は命術のことで、生年月日時を用いて、個人の性格や一生の運命、及び他人との相性を占う方法。主なものとして、西洋占星術・四柱推命(八字)・九星気学・紫微斗数・インド占星術などが挙げられる。
「卜」は卜術のことで、偶然にあらわれた象徴を用いて、事柄や事態の成り行きを占う方法。主なものとして、周易・断易・梅花心易・タロット・ルーンなどが挙げられる。
「相」は相術のことで、対象の姿・形から、その人の状態や運勢を占う方法。主なものとして、手相・人相・姓名判断・風水などが挙げられる。
「医」は中国医術のことで、鍼灸・漢方・方済・整体術・手当などが挙げられる。
「山」は大地自然の気を貰うことによって習得する術の総称で、気功・呼吸法・食事療法などが挙げられる。
出典 占い学校 アカデメイア・カレッジ 占い用語集について
コトバンクから引用
「命術」「卜(ぼく)術」「相術」は、巷では総称して「占い」と呼ばれるもの。
「医」は東洋医学の事。
参考過去記事:東洋医学とは
「山術」は「仙術」と言う場合もあり、ざっくり言えば日常の健康法です。
どの術も、その一つ一つは奥が深く、その道の専門家も大変多くいらっしゃいます。
私は「医術」の鍼灸師ですのでここでは他の内容については割愛しますが(鍼灸師が述べるのも変な話なので)
儒学の「易経」と合わせて、「東洋思想」という思想からの「占い」と「鍼灸」の繋がりを知って頂けたかと思います。
占いと鍼灸は親戚のまとめ
- 「儒学」「四書五経」は「東洋思想」の集大成
- 四書五経には「易経」という占いの書物がある
- 「五術(命術・卜術・相術・医術・山術)」という、より良く人の命を運ぶ術がある。
- 「占い」と「鍼灸」は「東洋思想」を用いた、「より良く人の命を運ぶ」ことが目的の親戚のような関係