「陰」と「陽」って何?
古代中国の思想家(哲学者)たちは、万物の様々な現象は、「陰」と「陽」と呼ばれる、正反する2つの面をもっていると考えました。
そこで、
今回から何回かに分けて「陰陽」という考え方(思想)を、もう少し詳しく、ですが出来る限り分かりやすくお話をしていきたいと思います。
ちなみに
今回からスタートする
「すね先生教えて! 「東洋医学」のお話をしよ」では、
所長のすね先生とアシスタントの2匹のネコ達との会話を通じて、「東洋医学」や「鍼灸」「健康」などに触れ合って頂き、より理解を深めて頂ければと思います。
そもそも「陰」と「陽」って何?
知っていることの確認
今回から2匹のアシスタントと一緒に、東洋医学のお話「陰陽(いんよう)」についてお話してみたいと思います。
アシスタントの「モー」です。
同じくアシスタントの「チョビ」です。
よろしくね~
じゃあそろそろ今日のお話をしようか!
今日は「陰」と「陽」の話だっけ?
チョビとモーは「陰陽」って言葉は知ってる?
「陽(ひ)」が当たるところと、当たらない「陰(かげ)」ですよね。
すね先生は、動きが活発な「陽」、動きが静かな「陰」とも言っていました。
チョビはどうだい?
じゃあ、これまでまとめたページを少しまとめておくから見てきてご覧。
分かったような、分からない様な感じ!
なら今日はもう少しイメージしやすいように説明してみるね。
世の中にある「陰」と「陽」。
対立した働きの「陰」と「陽」
「陰」と「陽」というのは、「反対の働き」「対立した働き」に対して表現できるんだよね。
「日当(陽)」と「日陰(陰)」
「昼(陽)」「夜(陰)」
「表(陽)」「裏(陰)」
「外(陽)」「内(陰)」
「熱い(陽)」「冷たい(陰)」
「明るい(陽)」「暗い(陰)」
「動く(陽)」「止まる(陰)」
など、様々な現象を対立した働き「陰陽」で表現しているんですよね。
鍼灸など今日の東洋医学の原典となる大昔の本にある文を見てみようか。
陰陽者、天地之道也、万物之綱紀、変化之父母、生殺之本始、神明之府也。
治病必求於本。故積陽為天、積陰為地。
陰静陽躁、陽生陰長、陽殺陰蔵。陽化気、陰成形。
陰陽なる者は、天地の道なり、万物の網紀、変化の父母、生殺の本始、神明の府なり。治病必ず本に求む。ゆえに積陽天となり、積陰地となる。
陰静にして陽躁、陽生じ陰長じ、陽殺し陰蔵す。陽は気を化し、陰は形を成す。
出典:黄帝内経「素問」 陰陽応象大論編
現代語訳「黄帝内経素問」上巻から引用
水為陰、火為陽。陽為気、陰為味。
水を陰となし、火を陽となす。陽を気となし、陰を味となす。
出典:黄帝内経「素問」 陰陽応象大論編
現代語訳「黄帝内経素問」上巻から引用
天地者、万物之上下也。陰陽者、血気之男女也。
左右者、陰陽之道路也。水火者。陰陽之微兆也。
陰陽者、万物之能始也。
故曰、陰在内、陽之守也。陽在外、陰之使也。
天地なる者は、万物の上下なり。陰陽なる者は、血気の男女なり。左右なる者、陰陽の道路なり。水火なる者は、陰陽の微兆なり。
陰陽なる者は、万物の能始なり、と。
故に曰く、陰は内に在りて、陽の守なり。陽は外に在りて、陰の使なり、と。
出典:黄帝内経「素問」 陰陽応象大論編
現代語訳「黄帝内経素問」上巻から引用
これはごく一部なんでしょうけど、陰陽についてこの様な文があるのですね。
すね先生もモーも何言っているの?
何語?
私、ギリギリ日本語しかわからないんだけど?
古代中国の漢文という文章だね。恐れ多いけど簡単にかいつまんで説明するね。
「陰」は落ち着いて静か。
そしてまとめるのが得意で色々な形を作れる。
「陽」は動きまわって騒がしい。
だけど色々な事を発散させることが得意で、色々なものを動かすパワーがあるんだ。
他にも
お空(天)や食べ物、男性、左は「陰」
地面や動く力、女性、右は「陽」
水は冷たくて形があるよね。
火は熱くて触って掴むことはできないけど、暖かいから色々なもの動かす力があって、水と火は陰陽を分かりやすく表したものなんだ。
チョビも寒い時は動かないでじっとしていたよね
だけど、春が近づいて暖かくなったことで、いっぱい外に出て動いているでしょ?
そうやって、周りにある様々なものは「陰」と「陽」という2つの性質によって分けられ世界が出来ているだ。
先生が患者さんに鍼を磨る時も
他を治すときには必ず変化の根本を追求する必要があって、
そんなときも「陰陽」がとても大切なんだ。
ということは、すね先生は男性だから陽で、私とモーは女性だから陰ということだね!
いっぱい勉強になったけど、お昼になってお外が暖かくなってきたら、じっとしていられなくなったから出かけてくるね!
あまり動き回っていると、危なくいから気を付けるんだよ。
チョビとモーは女の子で「陰」だけど、性格はチョビが「陽」でモーが「陰」だね。
その為かモーは良く分かっているね。
寒いところでお勉強し過ぎることは体には良くないから、ほどほどで温めた方が良いね。
だけど、お勉強したことをまとめる為には「陰」の力が必要。
頭を温めてしまうと「陽」の力が強くなって、せっかく学んだものが散ってしまうからね。
だから冷えた足は温めつつ、頭は冷やして、のぼせ過ぎないようにして知識をまとめる。
「頭寒足熱」という陰陽を上手に使いこなせているね。
チョビにはまた最初から教えないとかな。。。
1人の鍼灸師と、陰陽の性格別れた2匹のネコ達のお話は続きます。