健康の知恵
「火の保ち方」
– 心火編⑦ –
前回は
「心火」の体質を持つ人の「性格」についてお話しをしました。
今回は「心火」のまとめとして
「心火」の状態を良い状態に保つ方法を
所長のすね先生とアシスタントの2匹のネコ達との会話を通じて、
より理解を深めて頂ければと思います。
【これまでの記事】
- 健康の知恵「イコール心臓ではないよ」- 心火編① –
- 健康の知恵 「『心』の『汗』を流そう!とか『熱』っ『苦』しい」 – 心火編② –
- 健康の知恵 「『舌』の状態で長生きかわかる?」- 心火編③ –
- 健康の知恵「『顔色がいい』ってどういうこと?」- 心火編④ –
- 健康の知恵「笑いで心を温める」- 心火編⑤ –
- 健康の知恵 「心の性格は羊?」 – 心火編⑥ –
前回のおさらい
随分間隔が開いてしまったけど前回のおさらいをしようか!
前回、そして前々回と心火の心の働きや性格といった精神性のお話しをしてきたのは覚えているかな?
そうだね。喜ぶ、笑うという状態もあまり極端は良くないんだ。
ある程度は心火が許容できるんだけれど、喜びと笑いによって心火の働きを高めすぎると制御が利かなくなってしまう場合があるんだ。
それは心の不調、精神の病につながり、礼節や善悪の判断に問題が発生する場合もあれば、五行で言えば五声「言(ごん)」と1人でもぶつぶつ何か独り言や笑ったりといった、現代医学で精神の病に分類される状況にもなるんだ。
それじゃ、心・精神の不調を抱えている方に鍼とお灸をする場合には心火の調整がとても大事になるということなんだね。
どうやったら「火」を保てるだろう
心火の働きについて色々お話ししてきたけど、身の回りにある心火の働きを良い状態に保つ方法。
心火を助けるもの、整えることとかを改めて確認してみようか!
まず整理として、心火が弱くても、強過ぎてもいけないということは分かるね?
そうだね。
無暗に心火を高めることは、火が着いた木や炭を一気に燃やすこと。
急激に火の手があがることで火傷をしたり、周囲にあったものを誤って燃やしてしまったりトラブルが起きてしまう。
そして、急激に燃えた火種はあっという間燃え尽きて消えてしまう。
火が弱く小さすぎては火傷などをするトラブルはないけれど、火の温める力も弱く、ちょっとした風や水などの影響で簡単に消えてしまう。
しっかりと燃やし続けるためには、長く燃えるしっかりとした燃料と、定期的に燃料を足しながら火の大きさをコントロールすることで長い時間火を保っていられるんだ。
つまり
- 『心火』を高め過ぎない
- 『心火』を抑え過ぎない
- 『心火』自体を高める・養う
うん、肝胆に言えばそんな感じかな!
初歩としては「心火自体を高める、養う」といったイメージだけまず覚えておこう。
「心火」を高めるってどういうこと?
ちなみに、もう少し具体的に言ったらどんな感じなの?
まず『心火自体を高める・養う』というのは、心火の火が弱わってしまったものを強く大きくしてあげること。
それは
心火自体を高めたり、五行関係の相生、心火に対して働きを助ける母の関係にある肝木の働きを高めることなんだけど…
これまでのお話しを少し振り返りながらだけど…
なんとかイメージできるよ!
それなら良かった。汗
余裕があればこれまでのお話しを振り返ってもらえるといいけど、いっぱい読むのが大変なら、五行の関係についてお話ししたところは読んでみてね。
『心火』を高め過ぎないというのは、
言葉通り心火の働きを使い過ぎてしまわないことであり、五行関係で「心火を抑える」相剋にあたる腎水の働きが弱ってしまわないようにすること。
そして
『心火』を抑え過ぎないというのは、同じく相剋の腎水の働きを高め過ぎないことと整理しておくといいね。
うーん、分かったような、分からないような、、、
例えば
心火自体を高めるということは、「心火」という字からも、「火」から連想される「熱」「温かさ」そして「笑い」というのがポイントになる感じ?
そうだね。
心火の働きを高めるものというのは、食養生(心火の働きを高める食べ物)や五行色体表から色々なものが挙げられるけれど、生活の中でそれら色々なことを取り入れるのは難しいんだよね。
だから、先生が患者さんに心火の働きをご自宅でも高めてもらうお話しをするときには、「昼の運動」と「1回でも多く笑顔になる瞬間を大切に」そんなお話しをすることが多いかな。
2回目のお話しでありましたね。
「昼の運動」というのは、日中、昼が心火の働きが高まりやすいということですね。
その通り。心火を動かしやすい時間に体を動かし心火をより高める。
そして、心火に対して母の関係にあたる「肝木」。
その肝木が主る「筋」「腱」を動かすことは、燃料となる「木」を増やし、火を大きくさせる、心火の助けになる。
喜んだり笑ったりすることがそもそも難しい場合が少なくないけれど、そうであったとしてもその喜びや笑いの1つ1つが心火を燃え上がらせる小さな火種となり、そこに運動が加わることで「心火」を大きくしていくんだ。
そんな簡単なことだけでいいの?
確かに「この食べ物が良い」とか言われても、もし食べ慣れていなかったり、買うことのないものだったらせっかく良いことでも続かないもんね。
「腎水」の盛衰に関しては、また腎水のお話しをしたときに詳しく話をしようと思うけど、腎水は生まれ持った生命力を表すんだ。
だから、
生命力を損なうようなことは注意しなくてはいけないんだけれど、先生が皆さんにお話しするのは腎水のことではなく、腎水に対して相剋(抑える、弱める)働きの「脾土」の働きを高め過ぎないようなお話しをするんだ。
それは具体的にはどういうことなの?
これも「脾土」のお話しの時に詳しくお話しをするけど、「脾土」は体においては食べ物の消化に関係するんだ。
腹八分でバランスよく食事ができていれば問題は起きにくいけど、食べ過ぎや甘い物の取り過ぎたりすると脾の働きが強まり、その影響が相剋にあたる「腎水」に大きな負担をかけることになってしまうんだ。
だから、心火や腎水の働きが良い状態ではない患者さんには、特に食事の取り方についてのお話しをしているよ。
「心火」を高め過ぎないってどういうこと?
「腎水」の盛衰に関しては、また腎水のお話しをしたときに詳しく話をしようと思うけど、腎水は生まれ持った生命力を表すんだ。
だから、
生命力を損なうようなことは注意しなくてはいけないんだけれど、先生が皆さんにお話しするのは腎水のことではなく、腎水に対して相剋(抑える、弱める)働きの「脾土」の働きを高め過ぎないようなお話しをするんだ。
それは具体的にはどういうことなの?
これも「脾土」のお話しの時に詳しくお話しをするけど、「脾土」は体においては食べ物の消化に関係するんだ。
腹八分でバランスよく食事ができていれば問題は起きにくいけど、食べ過ぎや甘い物の取り過ぎたりすると脾の働きが強まり、その影響が相剋にあたる「腎水」に大きな負担をかけることになってしまうんだ。
だから、心火や腎水の働きが良い状態ではない患者さんには、特に食事の取り方についてのお話しをしているよ。
『心火』を抑え過ぎないってどういうこと?
確かに、腎水がしっかりしていることは大事だね。
だけど、いくら生命力をあらわす働きとはいえ、全体のバランスを崩すような強さは体に不調を招いてしまうんだ。
食べ物で言えば味の濃い物しょっぱい味、季節で言えば冬といった縮こまるような、体の内側に力が向くような場合に腎水が強まるんだ。
梅干しをイメージしてもらえれば分かりやすいけれど、梅を塩漬けにして味を引き締めたものが梅干しだよね。
梅干しをはじめとした昔ながらの保存食は、塩を使いその食材を引き締め時間が経っても食べれるように工夫されているわけだけど、それはその食材のもつ鮮度、「生命力」を保たせる行為と言えるんだ。
そして、冬の時期は寒くて体を縮めるよね?
そう。
冬は寒く体を縮めて体温の低下を防ぎ、体力を蓄えようとするよね。
その体の内に体力を蓄えるような働きが腎水の働きなんだ。
腎水が単独で強くなるというのは、普段の生活の中では多くはないけれど、食事や季節といった環境の影響により、体の内側に向いた働きが強まる状況に、他の五行などの状態が影響することで腎水が強くなりすぎてしまう状態が起こるんだ。
甘いものとしょっぱいものを交互に食べるのは最高なんだけどなー
その食べ方が好きな人は注意しないといけないね。
それと食事の摂り方についても、1回、2回良いことをやっただけではダメだよ。
習慣的なものによって体調を崩したものは、自分自身が意識して「習慣的に整えていく」ということをしていかないと克服が難しいんだ。
楽して体調を整えたいと思う人は多いけれど、自分は傷めるだけ心と体を痛めて、治していく、良くしていくのは人任せでは根本的な解決にはならないからね!
健康の知恵
「火の保ち方」- 心火編⑦ -のまとめ
- 『心火』を良い状態に保つためには心火自体を高める・養う
- 『心火』を良い状態に保つためには心火を高め過ぎない
- 『心火』を良い状態に保つためには心火を抑え過ぎない
- 「習慣的に整えていく」意識が大事