健康の知恵「筋と朝の運動」- 肝木編② –

「健康」だけではなく、「スポーツ」行う上でも知っておきたいこと。

健康の知恵「筋と朝の運動」- 肝木編② –

 

前回から人の体の五行(五臓)についてのお話しが始まりました。

」と呼ばれる働きの性質や特徴などについて少し触れましたが、今回はその内容についてもう少し細かい内容を、所長のすね先生とアシスタントの2匹のネコ達との会話を通じて、より理解を深めて頂ければと思います。

 


【これまでの記事】


前回のおさらい

 

すね先生
前回はから体の五臓「肝木」について話をしはじめたけど、前回の内容は覚えているかな?
チョビ
前回からすぐだからしっかり覚えているよ!
肝臓には

○「代謝」機能
○「胆汁の生成」機能
○「解毒」機能
○「血液量の調整」機能
○「造血促進&血液凝固因子の生成」機能

5つの働きがあって、大きく分けると
「物を良い状態にして出荷する工場」と「栄養と血液のタンク」なんでしょ?

モー
「肝臓」と「肝」は機能的に同じところもありますが、東洋医学で言う「肝」はもっと広義なんですよね?
すね先生
その通りだね!
『肝木』は「肝臓」「胆のう」「神経」「筋」「腱」「爪」「皮膚」「目」「涙」「下肢」「全身の運動性」なども関連しているんだ。

少し難しいけど、前回の「古典にある「肝木」の説明」はとても大切なところだから読んでみてね。
チョビ
途中で分からなくなるのも嫌だからもう一度読み返してみるよ。
すね先生
今回は前回からの続きで、『肝木』に関連する働きとして「筋」「腱」「神経」「全身の運動性」について内容を話ていこうか。

 

「筋・腱」は朝に動く

 

「肝」と「筋肉」はどんな関係なの?

 

すね先生
前回、古典の一文に「罷極之本」「其充在筋」という分があったよね。
その説明の際に、「罷極の本」といのは「「肝」は心身の緊張による疲労が溜まる大本」。
「肝の充実は筋肉の動きの変化として現れる」。と言ったよね。

他にも古典にはこういったことが書いてあるんだ。

肝主筋。

肝は筋を主る。

出典:黄帝内経「素問」宣明五気篇

肝之合筋也。其栄爪也。

肝の合は筋なり。

出典:黄帝内経「素問」宣明五気篇
現代語訳「黄帝内経素問」上巻から引用

すね先生
チョビは朝起きて、すぐに伸びをするかい?
すね先生
うん!あの瞬間が気持ちいいんだよね~
すね先生
あの瞬間は気持ちいいよね!

肝はその朝の時間に旺盛に働くんだ。
朝、肝がしっかり動くことによって肝に蓄えられている「血」が全身に回り、全身の筋肉を活発にさせる。
そして肝が主る「筋」が活発に動くことによって肝も元気に働きやすくなるんだ。
モー
ということは、あの伸びている時の気持ちよさは血がよく巡っている証拠なんですね。
すね先生
ちなみに「肝木」は木がぐんぐん成長する特性があり、あの「伸び」という姿も「肝」の特性の1つなんだよね。
「筋肉」には弾力があって、その伸び縮みして動く姿はまさに「肝」の働きと言えるんだ。

もし筋肉が硬く動きにくいと、肝は一生懸命働いて動けるように助けるんだ。
それでも動けないと、痛みや痙攣として症状が出てしまう。

また肝の働きが落ちると、筋や腱は硬く縮んでしまう。もしくは伸びきったままでちゃんと動かなくなる。

だから、肝の状態の良い悪いは、筋、腱を働きを見れば分かると言えるんだ。
モー
ということは
肩が硬く凝っているということは、肝がうまく働いていないということなんですか?
すね先生
その通りだよ。
ただ「肩凝り」という状態は「筋肉が硬くなるもの。」と思っている人も多いけど、その原因が「血が巡らず、筋が硬くなっている」場合には肝が関係している場合があるね。
 

「筋肉」と「朝」

 

すね先生
「肝」は「卯の刻(午前6時)」を中心に「寅~辰の刻(午前4時~8時)」に元気に働くと言われているんだ。

だから、肝の働きがうまく動かないと午前4時~8時の時間に調子が悪いということだね。
モー
調子が悪いということは具体的にどういった状態なんですか?
すね先生
肝の働きがうまく動かなく、筋肉がしっかり動かないということは、朝体がだるく、なかなか起きられなくなるんだ。

だけど午の刻(昼の12時)になると、心(臓)の働きの助けを受けてだんだん楽になってくるんだ。
チョビ
朝起きられなかったり、体がだるくなかなか学校に行けないって子がいるよね?
そんな子は肝の働きが悪いの?
すね先生
そういう事だね。
小学生~高校生の成長期というのは、「成長期」と言うくらいだから、ぐんぐん木を伸ばす「肝木」がしっかり働く時期なんだ。
そんな時期に肝木の働きが強く働き過ぎる、もしくは肝木の働きが弱いと、肝が十分に働かなくてバランスを崩してしまうんだ。
モー
これまでの話から考えると、そういった子程筋肉を動かしてあげることが大事なんですか?
すね先生
正確にはその子の状態によるけど、無理のない程度に「筋肉」を動かして体の働きを促すことは「肝」の働きを高めて血をめぐらし、朝の活動力を助けると考えられるんだ。
チョビ
そっか!
じゃあ私が朝いっぱい伸びをして、運動していることは「肝」の働きを高めるためにはとても良いことなんだね!
すね先生
あまり動き過ぎは良くないけど、今回の話がだいぶ理解できたようだね!
次回は「肝」の他の働きについて説明するね。

 

健康の知恵「筋と朝の運動」- 肝木編② -のまとめ

  • 「肝」は朝元気に働く。
  • 「肝」がしっかりと働くことで「筋」が十分に力を発揮し、「筋」が活発に働くことで「肝」の働きが高まる。
  • 朝の運動は肝の働きを高め、筋の動きを活発にする。
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