妊娠し初めて「電磁波」について考えた方も多いのではないでしょうか。
「妊娠中の電磁波」一鍼灸師の見解
妊娠を契機に、生活の中の「あれは良い」「これはダメ」というのを、スマホ片手に調べたことがある方も多いのではないでしょうか。
今回はその中でも
鍼療をしていて意見を求められることがある、「妊娠中の電磁波」について見解をまとめてみたいと思います。
「電磁波」とは?
そもそも、「電磁波」とは何か簡単に内容を確認してみたいと思います。
電磁波:意味
電化製品、OA機器などから生じる電場と磁場が時間的・空間的に変化しながら生じる波のこと。コンピューターでは主にディスプレイから発生する。電磁波による人体への悪影響などが指摘されている。対応策として、「ディスプレイからの電磁波をカットする防磁フィルターを使用する」「長時間OA機器に向かい合わない」などがある。
コトバンク ASCII.jpデジタル用語辞典から引用
「電化製品、OA機器などから生じる電場と磁場が時間的・空間的に変化しながら生じる波のこと。」と言われてもイマイチよく分かりませんね。
もう少し噛み砕いてみると
そして、その電磁波は体への悪影響があると言われている。
ネットには妊娠中に気を付けたい様々な内容とともに、この「電磁波の胎児への悪影響」を目にすることがあります。
日本産婦人科学会の見解
こういったネット上にある問題に対して、日本産婦人科医会が電磁界情報センター(JEIC)が妊婦さん向けに作成した資料を掲載しています。
(現在、電磁界情報センター(JEIC)のサイトが見れなくなっているようです。)
下記のリンクは医師向けの情報サイトに掲載された記事です。
詳しくは上記にあるリンクやパンフレット等をご覧頂くと宜しいですが、日本産婦人科学会の見解としては、電磁波による悪影響はあるが、通常の環境レベルの影響ではリスクが増加しないと見解を示しています。
「妊娠中の電磁波」について一鍼灸師の私見
私が日頃の鍼療でご相談を受けた際には、
- 「電磁波による悪影響はあるようだけれど気にし過ぎなくて大丈夫ですよ。」
- 「現代社会で電化製品から完全に切り離すのは難しいので、目の疲労は心身の負担が大きいのでスマホのいじり過ぎだけ気を付けましょう。」
- 「電磁波を恐れるのではなく、キッチンに立ち過ぎによる体の負担を和らげましょう。定期的にキッチン以外で休憩すれば、無理して遠ざけなくてもIHからも電子レンジからも距離が取れますよ。」
- 「電磁波防止のグッズも身に着けて少しでも気が休まるならアリですね。」
などとお話しているでしょうか。
今の時代、技術の進歩により様々な便利な電化製品が生み出され、お家にしてもリフォームや新築で「オール電化」にするお宅も多いでしょう。
その様な状況で「電磁波怖い」と電化製品から距離を取るにはかなり難しいです。
電磁波を防ぐエプロンなどもあるようですが、そういった用品を身に着けて、少しでも気が休まるのであれば、「電磁波防止」としてではなく、「精神的な安定」としてアリです。
ネットの情報を見ると、怖い事ばかり書いていますが、仮に電磁波による悪影響があったとしても、電磁波よりスマホいじり過ぎの「目の疲労」「睡眠の質の低下」、情報に翻弄されることで「気鬱」「ストレスの溜め込み」「精神不安」となる方がお母さんにとっても、胎児にとっても宜しくないと考えています。
「電磁波」と「気」
以前、鍼灸の施術にも用いられている東洋思想の「気」について記事を書きました。
過去記事:「気」という考え方
東洋思想における「気」に関して、「東洋医学」という術に用いられていますが、科学的にどういったものなのかは良く分かっていません。
ただ、私は「気」というのを科学的に説明するのならば、実際「気」という字を使っている目に見えない「(生体)電気」や「電磁波」を指しているのではないかと思っています。
東洋医学は、体の中で乱れてしまった電気の流れを整え、本来体が持ち合わせている生体活動(細胞代謝た免疫活動など)を正常化、向上させるものであり、皮膚刺激でもある程度生体電気の流れを整える効果はあるものの、「鍼」という金属を用いることでより効率よく電気の流れを整えられるのだと。
ですから、「電気」や「電磁波」を東洋医学で言う「気」だとすれば、当然無暗に影響を受けるべきではないと考えます。
ただ以前記事にした「【鍼灸と切り離せない】 「中庸(ちゅうよう)」という考え方」という考え方の様に、生活を営む上で「電気」から距離をとる生活は大変難しく、「電磁波」などを「悪」と遠ざけのではなく、上手に用いてバランスよく生活することが、東洋医学の視点で言えば肝要であると考えます。
「妊娠中の電磁波」一鍼灸師私見のまとめ
- 確かに「電磁波」の影響を受けすぎることは問題である。
- 妊娠中においては、「電磁波」に囚われず、より広い目線で見て普段の生活を整えること、見直すことが大切である。